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ユーモア欠落症

昨日は衛星中継にて作家の五木寛之氏の講演を聞くことができました。以前から名前だけは知っていたのですが、話を聞くのは初めてです。

氏は、長年作家として生きてこられて最近不思議に思われることがあるそうです。五木さんと接触する若い編集者、特に女性に“心療内科”通いの人が多いと言うことです。まるでショッピングに行くかのような気軽な気分で・・・。

旧来型の人間である私などは、もし掛かるとなったら遠慮がちに行くだろうなと思うのですが、現代っ子はそうではない。ある面、それは非常に医療機関と患者の間が近くなったことだからいいことではあるのですが、しかし、五木さんはそれを憂いていました。なぜ?

体調が悪かったりすると、我々は何か自分の生活スタイルに誤りがあったのではないかと反省するのですが、それを「病気」とひとことで片付けて、深く考えることもなく薬や病院に頼ってしまう。その安易さが最近の暗い世相、荒れた世相と関係しているのではないか?と分析されていたのです。

その最たるキーワードが「うつ」です。最近はうつ病をはじめココロの病というものが爆発的に増えている状況です。しかし、五木氏は

「うつ」は決してマイナスだけではない

というのです。

もともと、「鬱」という言葉には、「草木が勢いよく伸び、生命力があふれる様」を意味するのだそうです。とすれば、「うつ」な気分になるというのは、これから新しいエネルギーが生まれ出る前の状態であり、人間にとっておよそ必要なものである。だから、うつを忌み嫌わず、休息の時間が与えられたと


喜んで受け入れる


必要があるとの話でした。

現代は、通り魔事件や家族間の殺人など目を覆いたく、耳をふさぎたくなるような事件が頻発しています。しかも、殺人事件がメディアを賑わさない日がありません。その根源に私は、


「ユーモア」


が欠落した社会があるように思います。

確かに不況に突入し、リストラや給与カットで心が荒み、笑ってなんかいられない状況でしょう。しかし、そういう時こそ、悲しみを一旦受け入れ、それを喜びに変えるフィルターとしてのユーモアを持つ必要があると思うのです。そのようなゆとりを多くの国民ひとりひとりが持たない限り、もっと悲惨な状況が生まれてくるようで心配でなりません。

今日の五木氏の話は、まさしく自分自身の生き方を考えさせてくれるとても清々しい、心を軽くしてくれるお話でした。
by yongenso | 2008-12-12 15:58 | 四元重美ブログ


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