今日とても素晴らしい出会いがありました。厳しくもかつ思いやりのあるドクターとの出会いです。
ある病院と案内パンフレットを作るうえでの話です。この医療機関とは数ヶ月前から担当者との間で5~6回打ち合わせを重ね、写真撮影まで終わらせていました。 それでいよいよ文字校正の段階に入ろうとした矢先、そのドクターからあれこれ要望が出され、結果的にストップせざるを得なくなりました。 その瞬間、「これからガラッと修正するのはコストも相当アップするし面倒だな…。」と正直思いました。しかし、ご要望をあれこれ伺う過程で私自身が至らなかったのだと気付いたのです。 そもそもこの医療機関からパンフレット制作の依頼が来た時点で、私は以前から温めていた「雑誌型パンフレット」を提案しました。 雑誌型パンフレットとは、まるで読み物のようなタッチのパンフレットのことです。発行する側、つまり、医療機関側の視点ではなく、患者さんの視点で書かれているので楽しく読めるのです。 なぜ私が雑誌型パンフレットを提案したかというと、これまでのパンフレットはただ写真の羅列と説明文がレイアウトされているだけで無味乾燥、人の心を捉えないと感じていたからです。 実は、この提案には伏線がありました。ある住宅リフォーム専門会社が普通の一方通行型パンフレットから雑誌型パンフレットに変えたところ、相当な評判を呼び受注がグ~ンと増えた。という話を聞いており、医療機関でも何とか提案できないものか?と考えていた矢先だったのです。 しかし、今回このもくろみはものの見事に外れました。では、なぜこの企画は通らなかったのか? リフォームの場合、「家の中の問題解決」という視点でパンフレットを作成できますが、医療機関の場合は「病気の解決」という観点はなかなか難しいのです。もちろん、乳がんや糖尿病など特定の疾患あるいは美容外科など特殊科目に焦点を当てて作成できますが、今回の病院は何か疾患の分野で特化をしていないのです。 ですからこのドクターは、あくまで医療機関の紹介が中心ではないか…、とすれば雑誌型はそぐわないとの考えだったようです。 言われてみれば確かにそうです。雑誌型は何か啓蒙的な要素を含むパンフレットには適しているかもしれません。ただただ私は盲目的に「雑誌型」は良いのだ、と思い込んでいたようです。 今回の失敗を経て私が気付いたことは、 事前のオリエンテーションを密にする ということでした。最初の時点でいかに相手と綿密な打ち合わせを行うか、何の目的でパンフレットを作るのか?、そのパンフレットは誰に渡すのか?このことを徹底して追及しておくべきだったのです。それも一担当者のレベルにとどまることなく、およそ決定権に関わる可能性のある人すべてにです。そこをあいまいにしたままスタートしたのが過ちです。 私もこれから細かいところまで見通せる、気付ける感性を持ち、早く『慢性不感症』から脱却したいと思います。 それにしても、この素晴らしい指摘をしてくれたドクターの慧眼には恐れ入りました。常に原理原則、物事の本質を見る習慣を兼ね備えた人なのでしょう。口調はとても柔らかく、しかも私に相当な面倒を強いて申し訳ないという姿勢がありありということと同時に原則は妥協しない、厳しく対処する。こうした姿勢にとても好感を覚えました。
by yongenso
| 2010-01-19 15:42
| 医業PRのヒント
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