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経営理念執着病

昨晩、あるクリニックからお誘いを受け新しい職員の歓迎会・懇親会に出席してきました。外部者は私を含め3名。二次会、三次会までごちそうになり、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

その中でドクターとかなりの時間お話をしたのですが、その話題が

「経営理念」

です。私はこの経営理念というのがこれから本当に大事になってくると思っています。それは昨今の企業の不祥事と無縁ではないと思うからです。今消費者、生活者は企業やメディアから発信される情報を鵜呑みにしない、特に企業から発せられるきれいな、プラスの情報に対して敏感になっています。疑いの目を向けているのです。

そうした中にあって企業たるもの確固たる「企業哲学」「理念」「方針」が必要です。どんなことがあってもぶれない姿勢、それは理念に立脚した考え方、行動だからぶれないのです。

このドクターとは

「増患」

ということについて盛り上がりました。果たして医療機関にとって「増患」はいいことなのか?今医療機関といえども競争が激しくなり、どのように患者を獲得するか?ということがテーマになっています。医療機関は収益事業ではないといわれるものの一定の収益がなければ維持できないことも事実です。だからこそ「増患」

私はもともとこの「増患対策」という言葉に抵抗を感じています。患者を増やす…とは病人を作るということにつながらないでしょうか?。正しくは「増ファン対策」というべきです。

それはともかく、このドクターはただやみくもに患者を増やすという視点は整合性が取れないといいます。今50人しか来ないところを増患だといって200人来るようになった。これは非現実的です。スタッフの体制、医療機器が揃わない、あるいは建物自体のキャパシティが整わない…。これはあまりに無鉄砲です。

結局、


●なぜ患者、ファンを増やさなければならないのか?

●自院は何をもってこの社会に貢献しようとするのか?

●同じ医療機関でもどの分野の役割を果たすのか?



そうした基本方針を明確にしない、極限まで掘り下げないまま、ただ増患を謳うのは本末転倒と言わざるを得ません。その根幹こそが経営理念なのです。

私もこれまで多くの医療機関とお付き合いしてきましたが、経営理念をしっかりと、しかもよそからの借り物ではなく、自らの言葉で語っている例があまりにも少ないように感じています。

そうした観点からこのドクターが目指す方向性はとても共感できるものです。私は私なりに精一杯お手伝いさせていただこう、その理想実現のためにお役立ちをしようと意を強くしたのでした。
# by yongenso | 2009-04-29 13:39 | 四元重美ブログ

女性の力活性剤

今日は鹿児島大学の21世紀ルネッサンスアカデミーにおいて講師を務めてきました。この講座は、社会人を対象として新規ビジネス、ソーシャルビジネスの育成を目的として始まったもので今年で3年目です。

私は当初からこの講座の『プレゼンテーションスキル』を担当させていただいております。この講座は

自分の思い、プランをどう伝えるか、どう分かってもらうかというスキルを磨くためのものですが、特に今回感じたのは女性の参加者が増えているということです。それだけ女性の社会進出が盛んになっていることもありますが、何か新しいことをはじめたい、何か社会的に役に立つことをやってみたい、そう感じている女性が増えていることの証拠です。

私はこれからのビジネスにおいて女性の感覚を活かす、女性の視点を取り入れる、このことがとても大切になってくるのではないかと感じています。

それは、地球温暖化をはじめとした環境問題はもちろん、世界各地で起こっている紛争と無関係ではありません。世界の人々は平和な暮らしを望んでいるにもかかわらず、争いが絶えない。これには直線的な男性の考えが色濃く反映しているのではないかと。

これに対して女性は曲線的であります。争いごとを望まないし、母性愛で人を包みこむ、これが本姓であります。最も最近ではボクシングなどの格闘技に女性が進出し、狂喜乱舞する女性が増えていることにいささか違和感を覚えているのですが・・・・。

しかし、いずれにしても女性の活躍のフィールドがどんどん広がっている傾向にあることは大歓迎です。およそ女性が働くなどとは想像しえなかった建設現場、トラック輸送現場などをはじめとして、イキイキと働く女性が増えていることは歓迎すべきことです。

われわれ男性経営者、幹部はそのことをよく認識しておおいに女性の登用を図りたいものです。

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# by yongenso | 2009-04-19 12:53 | 四元重美ブログ

誉め言葉欠乏症,認められたい症候群

久しぶりのブログです。

私が最近通っているクリニックで気になっていることがあります。そのクリニックには看護師をはじめ、多くのスタッフがいるのですが、その中で一人、少し冷たい対応をする人がいるのです。

その顔に笑みが浮かぶこともなく、冗談を言ってもその表情が変わることはない…。挨拶をしてもただ機械的に返すだけで、この人と会うたびに私は「正直この人には診てもらいたくないな」と思い、なるべく目を合わせないようにしていました。

しかし、あるとき「これではいけないな」と感じたのです。それは「こちらが嫌だなと思ったから、あっちもそれ相応の感情を持っているのでは?」と考えたのです。まさしく鏡の法則です。

それで、相手が変わらないのなら、こっちから積極的に変えてみようと思い始めました。…とはいえ思い始めただけで、なにか解決策が浮かんだ訳ではありません。まず、私は


なぜこの人はニコリともしないのか?


を考えることにしました。

そもそも「冷たい対応」をすることの原因が分かれば、その人と仲良くなる糸口が見つかるかもしれない…、そう考えたからです。


私はその人が近しい存在の人々、つまり家族や友人、周囲の人々から認められなかった、あるいは誉められなかったために心が満たされず、心を開いてくれないのではないか?という結論に至りました。


私のこの考えが当たっているかどうかはまだ定かではありませんが、少なくともその人の笑顔を見たことがないということは、打ち解けてはいないということを意味します。

人の笑顔を引き出す、これは非常に難しいことですが、しかし私はこれをチャンスだと考えています。もしこの人の笑顔を引き出すことが出来たなら、それは私がその人の心を動かしたということに他ならないからです。

そのためには、


その人らしさ、その人特有の美点に目を凝らす


必要があります。人には必ずいいところがあります。美点だけの人もいなければ、欠点だけの人もこの世には存在ません。私自身が心を込めてしっかり見てそれを素直に誉める。これでひょっとしたら私に笑顔を返してくれるかもしれません。

人の心を動かすとは、まさに自らを変えること、自分自身が先に変わることだと思います。
# by yongenso | 2009-04-03 17:55 | 四元重美ブログ

細かいことへのこだわり症

今日ある飲食店(うどん屋)に立ち寄りました。そこで店内をいつものようにキョロキョロしていたところ、ふと1枚のポスターが目に止まりました。“鹿児島産黒豚”を使用している旨の証明書です。ところが、その納入業者の住所「〇〇町」のところが「〇〇長」になっているのです。これは致命傷です。

昨今の食品偽装問題に象徴されるように、お客様はそのお店の発信する情報に敏感です。たった一文字の間違いではありません。信用を勝ち取るためのポスターがいい加減だなあと思われた瞬間に黒豚は本当に鹿児島産か?と疑われかねません。

もちろん、このポスターはお店が作ったものではなく業者の作ったものでしょう。しかし、お店もそれをチェックしていないのですし、お客は業者が作ったのだからと許してはくれません。

細部の細部にまで気を配る

これは、どんな職業・お店にも言えることでしょう。かく言う私自身、とてもアバウトな人間で細かいところにまで神経が行き届かず反省することしきりです。


そこまで細かいところに神経を配るなんて病気みたい・・・


と言われるかもしれませんが、細かいところに気が付く感性がやがては大きなアイデアや発想につながるのだと思います。

私はこのことを店員に伝えました。救われたのはその店員が会計の際、お礼を述べてくれたことです。こういう姿勢が社員全員に浸透しているならば、このお店はきっと今後も繁盛し続けるでしょう。
# by yongenso | 2009-02-24 10:26 | 四元重美ブログ

目標=生命向上装置

私の知り合いで88歳になるおばあちゃんがいます。とても陽気で気さくな人なんですが、しばらく体調が優れず、また目の手術をしたりして最近随分老け込んだなあという印象を持っていました。そのおばあちゃんが最近、がぜん元気を取り戻しているという話を家族の方から聞きました。

その訳は昨年末に息子さんの奥さん(嫁)が50代半ばという若さで亡くなり、再びおばあちゃんが息子さんの世話をすることになったのがキッカケだそうです。

毎日バスを乗り継ぎ、約1時間かけて息子の元に通うことでみるみる元気になっていくおばあちゃん。不幸な出来事ではあったけれど人間何がしかの目標、役割を見つけられれば元気になれるのだということを実証しています。

家族の話によれば、いつも節目節目でおばあちゃんに目標を持ってもらえるようにしているんだそうです。

「誰々の○年忌までは元気でいよう」

「○番目の孫が入学するまでは元気でいよう」

「○○のイベントがあるのでそれまでは元気でいよう」

とその都度目標を掲げる。こうしてこのおばあちゃんは今まで元気に過ごして来れた。やはり人間は誰かの役に立てている、やるべきことがあるという目当てさえあれば長生きできるんですね。このことを深く実感したことでした。
# by yongenso | 2009-02-02 10:36 | 四元重美ブログ